【完】強引に、キス- 年下騎士 -


歩き続けて来たのは、旧校舎だった。


「はなせよっ!」

パシッ


腕を振るうと、やっと悠生の手は離れた。


「なんだよ、こんな所連れてきて」

「…悪かったよ」

「あ?」


顔を向けないで話す悠生に、苛立ちながら返す。


「だから、悪かったよ!俺、幸司の事なんも分かってなかった」

「あぁ、そうだな」

なにをサラッと言ってんだコイツは……


呆れながら、掴まれてた腕をさする。


「俺、まさか幸司がそんなつもりだったなんて思わなくて…」

「なにがだよ」

「その……」

はっきり言わない態度に苛ついて、ため息をついて帰ろうと悠生に背中を向ける。

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