【完】強引に、キス- 年下騎士 -


「音亜?寝てるの?」


扉に耳をつけて部屋の中の様子を伺う


「…………ッ……グス」


微かだが、中からすすり泣く音が聞こえた。


「…音亜、泣いてんの?」


そっと声をかけると、ガサッて音がして音亜が扉の側に立った気配がした。


「音亜……」

「幸司、おかえりっ…‥」

「……音亜、扉開けてはなそ?」

「ダメっ、か、風邪ひいちゃって」


わざとコホコホと咳き込むフリを見せる音亜


「いいよ開けて」

「良くないよっっ!と、とにかくダメ」

「じゃあ俺もここから動かない」

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