裏道万屋の事情
「あわよくば、後一人メンバー欲しいっスね…。」

「生憎、家の万屋は三人しかいねぇんだなーこれが。」

「大変かもしれないけど、この人数で頑張るしかないと思います。」

『……………。』



あたしに拒否権はないのかっ?!あたしゃぁ乙女だぞこんチクショー!!!!

しかも……しかもあたしの楽しみが―――



『あたしの海と食と魚があぁ〜〜〜〜!!!!!!』

「うっせぇ覚悟決めろや!!」



てんめぇ他人事だと思って……輝さん達は男だから覚悟も何もないじゃんか!!

ずるいっっ!!!!!!



「はぁー誰か居ないっスかねぇ…」



早見さんが再びつぶやいたその時―――



ガラッ



『「「……………。」」』


これはまさか…。

あたし達三人はこの音が何なのか知っている。

あたし達の許可なく勝手に開かれる玄関の音。

これって絶対………。






「菜子〜お祭りいつ行くの。」






嵐っっっ!!!!!!
やっぱりそうだったか!!


早見さんは嵐を見ると目の色を変え、凄いスピードで嵐に近付くと嵐の両肩をガシッと掴んだ。



「君良いっ!!超良いよ君!!!!一発合格だ!!!!君も一緒に海の家で頑張ろうなっ??!!」

「……??」

「何となくこんな事になるんじゃねぇかと思ってたんだよ……。」

「あははっ。何か楽しくなりそうだね〜!!」

『あたし耐えられませんわ!!もう実家に帰らせていただきますっ!!!!』

「おいてめぇ下手な芝居で逃げようとしてんじゃねぇ!!しかもお前の実家は入れねぇだろがっ!!!!」

「なぁ菜子。海の家って何。龍宮城??」








樹里ちょ〜〜〜ん!!!!

助けてぇ〜〜〜〜〜!!!!!!










こうしてあたしは叶 菜男になる事を余儀なくされたのだった。









あんのギャル男…許さんっ!!
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