裏道万屋の事情

「海の家オープン♪」


ユウさんの言葉で開店。


すると開店に伴ってたくさんのお客さんが入り、店はあっちゅー間に満席に。

凄まじい人気ぶりだ。


あたしは注文を聞いては運び、聞いては運び……。



だあぁぁぁぁあっ!!!!

何なんだこの忙しさはっ?!
過労死するっての!!!!!!





あたしが死ぬ気で仕事をしていると視界に入ったヤツの姿………。



「美貴ちゃんは本当に可愛いね。まるでこのビーチのお姫様のようだ!!…この夏は僕をあなたの王子にして頂けませんか、姫…??」

「もうヨリってば〜!!姫なんてぇ〜!!」



……………………………。


…マジで海の底に沈めたろか??
あの男。

ヨリさんは水着の綺麗なお姉さんに甘いセリフを吐いている。

あたしが汗水垂らしながら動き回っているというのに全くこいつは……。



あたしは今にも顔が引きつりそうになるのを必死に押さえてお客さんに爽やか営業スマイルを向け続けた。












あっこれ絶対ハゲるわ。

うん、ハゲる。