裏道万屋の事情
「まぁ落ち着けよポチ公。」

『怒らせたいんですか。』

「それより菜子ちゃん。僕達の依頼はもう終わったから明日帰るよー。」

『えっ??だってまだ店開いたばっか――』

「他のメンバー戻ってきてくれたからさっ!!もう大丈夫だ。ナオも本当にありがとな??髪も切らせちゃってごめんな。」

『あ、そうですよね。髪はもう良いですから!!またすぐのびますしっ。』



まぁ切られた瞬間は呪い殺してやろうかと思ったけどね。

でも実際ショートヘアーって楽だし、特に問題は無い。



「そして聞きたまえ、ナオ!!」

『嫌です。』

「まだ何も言っていないだろう??」

『だってヨリさんの話ってろくなことが無いんですもん。』

「案ずることはないさ、ナオ!!今日はみんなで思い出作りに花火をしようじゃないかっ。」

『「「「花火??」」」』



って、あたしだけじゃなくみんな知らなかったんか〜いっ!!!!



「良い考えだろう??」

「まぁ……今までのお前にしちゃぁまともな意見だな。」

「はいはいっ俺賛成っ♪」

「良いね、花火っ!!!!僕も賛成ー。」

「うむ。決まりだねっ!!」

『ところで花火は??』

「案ずることはないさ、ナオ!!無論今からナオと嵐で買いに行けば完璧さっ。」

『………………。』



スタスタスタ… ガシッ



「何だいナオ。自分から手を握ってくるなんて積極的――」

『何が完璧じゃボケェェェ〜!!!!!!』



ドボォォォォォンッ!!!!



あたしは掴んだ手を引いて海へ向かって投げ飛ばし、悪の根源を海の底に沈める事に成功した。



『―――しゃあっ!!!!』

「「「………。」」」



ガッツポーズのあたしと呆然と立ち尽くす輝さん、弘さん、ユウさんを、沈んでいく夕日が暖かく照らしていた。






――悪は正義の手により海底に沈められる。――


        by 叶 菜子
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