裏道万屋の事情
それから輝さん達も一緒で樹里達のところへ戻って花火のことを言うと、こっちもみんな賛成してくれた。


花火はやっぱりというか…結局輝さん達にあたしと嵐で強制的に行かされる事になった。

…何でウチ等パシリ役になってんだろーね、嵐。


あたしと嵐は歩いて海から20分のコンビニに向かった。



『あたし達かわいそう…。』

「俺別に良いけど。菜子も一緒なら。」

『……嵐はさ、何でいつもあたしのことそういう風に思ってくれるの…??』

「え――」

『ぁっごめん何でもない!!気にしないでっ!!!!』

「??うん。」



あたしってば何言ってんだ??!!

あーもう諒のせいだよぉ!!



「菜子は………。」

『へっ??』

「…もやもやしてるの??」

『それって―――』



前した恋の話。

……だよね……??



『…よく、分かんない。』

「俺、分かった。」



………はいっ????

今何とおっしゃられました?!

それってつまり―――



誰かに恋したってこと…??!!



『ぇ、だ、誰にっ?!』

「さぁ。」



はぁっっっ???!!!
意味分かんないんだけど!?



『さぁ……ってあんたねぇ――』



とあたしが言い掛けた瞬間、嵐の人差し指があたしの口に当てられた。

そのときのあたしはまるで、『シーッ静かに!!』

…見たいな感じだっただろう。



「内緒。」

『え…??』



嵐はそれだけ言うと呆然と立ち尽くしているあたしを残して、スタスタと先に歩いていく。



……『内緒』…って―――


―――――おいっ。



『ちょっと待てやゴルァ!!!!!!誰になのか吐けぇぇぇぇっ!!!!吐かなきゃ鼻フックだこんチクショー!!!!』



あたしは慌てて嵐を追い掛けた。
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