裏道万屋の事情
どんなにしつこく聞いても嵐は結局教えてくれなかった。


ま、いーや…
また今度で。

あたしは今聞くのは諦めて話題を変えることにした。



『嵐は花火とかよくやるの??』

「施設に居た頃、毎年夏に一度はみんなでしてた。」

『そうなんだ。ちなみに何の種類のが一番好き??』

「菜子は??」

『あたしは打ち上げ花火だなっ!!どうせやるならダイナミックな方が良い!!!!』

「菜子らしい。」

『で、嵐は??』



嵐の事だからマイナーどころのヘビ花火が良いとか言ったりして。

あ、何かそれ素で言いそうだわ。
マジで言われたらどーしよーか。

うーむ………。



「…線香花火。」

『線香花火っ??』



何だ。案外まともな答えで拍子抜けだ。
敢えてウケ狙ってほしかったなー。

…って嵐にはハイレベル過ぎるかっ!!

ってかあれだね見かけによらず嵐ってロマンチストだったんだね。



『何で線香花火??』



まぁ静かだけど綺麗だもんねっ線香花火。



「…後で、線香花火するとき教える。」

『??うん、分かった。』



今じゃダメなのか??
とはまぁ突っ込まないでおこう。



そしてあたし達はコンビニで大量の花火を買い込むと、みんなの待つ海へ戻った。
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