裏道万屋の事情
その後、嵐の火は地面に落ちることなく消えた。


…完敗じゃんか。



『嵐すごっ!!凄まじい強運だね!!!!』

「自分でも一発で成功すると思わなかった。」

『ちぇ~っ、あたしが奢りかぁ~…つまんないのー。しかも願い事も叶うね。』



一石二鳥か?!

羨まし過ぎるぞチクショー。



「ねぇ菜子。」

『ん?』

「ご飯奢んなくて良いよ。」

『マジっスか!!!!!!』



嵐最高!!!!

あたしの次に最高だよ!!!!

あ、でもあたしが最高なら嵐は準最高ってとこだな、うん。



「その代わり帰ったら俺と遊んで。」

『へ??…うん、良いけどさ。別に今だって遊んでんじゃん…??』



何を言い出すかと思えばそんな事か。



「俺遊園地行ってみたい。」

『遊園地??!!突拍子だね嵐。でもあたしも行きたいな遊園地!!』



そういえば今年はまだ一回も行ってないんだよね。



『じゃあ帰ったら早速樹里ちょんに電話して―――』

「ストップ。」

『ふぇ????』

「二人で、遊びたい。」



え…それってもしかして…

つまりあれですか……??



『それって…ででで…』

「デートしよ。」

『…??!!』



あたしが言えなかったその単語をさらっと言ってのけた嵐。

勿論の如く無表情。













ま  じ  で  ?
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