裏道万屋の事情

実はあたし、お化けとかそーゆうのが大の苦手。

別に不良とかなら蹴れるし殴れるしいくらでも倒せるけど、お化けだけはどうしても無理なんだ。



必死にお母様の助けを願っているあたしに───



「…おい、ポチ公。」

『ひぃぃぃ〜お化けにポチ公呼ばわりにぃっ??!!』

「ぁあ??お前何言って…」

『いや、あの本当落ち着いて下さい!!世の中に未練があったとしても…あ、何なら話くらいあたしが聞きますからっ!!だから呪い殺す前にとりあえず落ち着いて下さいって!!!!』

「まずお前が落ち着け!!!!」

『あたくしは十分落ち着いていますわ!!だからっ!!!!』

「明らか取り乱してんだろーが!!!!ってかもう何なのお前??何キャラだよ?!」

『キルユー?!今お前殺すって仰られました??!!いやいやはやまんないで下さいよ!!!!』

「言ってねーよ!!どーやったらキャラがキルユーに聞こえんだよ!!ってかもう埒が開かねぇっ!!!!…弘も楽しそうに見てねぇで何とかしろや!!」

「えーだって輝と菜子ちゃんのやり取りがおもしろくてつい……」











ん……??



『てる』………??

『ひろ』………??









聞き覚えのあるその単語に反応して、あたしはそーっと顔を上げてお化けのいるはずの方を見た。



そこに居たのは───






















『…どＳ鬼畜お化け…。』

「…キルユー…!!」


















そのとき、お化けより何より輝さんが一番怖くなったあたしだった。