裏道万屋の事情
「何だよ嵐。お前いつの間にか女なんか作るまでになった訳??」

『あたしはそんなんじゃ──』

「ま、どーでもいいけどそんな女。」

『いやだから──』

「ってゆーかさ、」



おいぃぃぃっ!!!!

人の話聞けやコラぁっ!!!!!!



何この人っ!!

顔は普通に笑ってるくせに言葉が毒舌なんですけどっ??!!


ここへ来てやっとしっかり顔を見れた嵐の話相手。


赤茶色に染まった髪に、左右の耳には2、3個ずつのピアス。


どー見ても不良。



ってか、何か変だ…


始終笑みを浮かべてるんだけど、何か引っ掛かる。









「大体俺とお前は関係ねぇじゃん。」

「関係なくない。」

「ねぇし。」

「………………何で。」






…………って、



何この空気…

あたし明らか場違いじゃね??


何を言い争ってるんだかよく分かんないけど、部外者のあたしでも分かるこのピリピリした空気。





「大体さ、あそこを出たあの日から俺はもうお前等とは縁を切ったんだよ。」

「萌葱さん…心配してる。あそこを出た今だって、俺達のことを………『家族』として心配してる。」

「…そんなん、俺の知ったこっちゃねぇよ。」





もはや平行線にしか進んでいない会話。

あたしが入ったところで、内容が分かんないからどうにもできないし…。
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