裏道万屋の事情
教訓 19...
自分らしさを大切に。
「……あれ……??」
救急箱片手に戻ってきた光。
辺りを見回すがいるはずの菜子がいない。
「え…どこ行った??待っててって言ったのに――」
そこまで思って何かが引っ掛かった。
あれだけ痛さを訴えていた菜子。
実際表情からも痛さを読み取れたし、足も浴衣とはいえ、かなり細かい歩幅で負担を掛けないように歩いていた。
おそらく我慢をして歩き続け、ほとんど限界まで来ていたのだと思われる。
そんな状態の足で一体どこへ行けるというのだろう。
ふと、光は石段に落ちている何かに気付いた。
「……これはっ――!!!!!!」
落ちていたものを拾い上げると、光は走り出した。
そこに落ちていたのは、山吹色の巾着。
それは紛れもなく、さっき菜子が持っていたものだった。
「こんなの…自分でどっか行くんなら、置いていくはずがない…!!!!」
そして確信した。
あいつ等だ………!!
あいつ等に誘拐されたに違いない。
自分達のためなら手段を選ばない。
…そういう奴等だ――。
救急箱片手に戻ってきた光。
辺りを見回すがいるはずの菜子がいない。
「え…どこ行った??待っててって言ったのに――」
そこまで思って何かが引っ掛かった。
あれだけ痛さを訴えていた菜子。
実際表情からも痛さを読み取れたし、足も浴衣とはいえ、かなり細かい歩幅で負担を掛けないように歩いていた。
おそらく我慢をして歩き続け、ほとんど限界まで来ていたのだと思われる。
そんな状態の足で一体どこへ行けるというのだろう。
ふと、光は石段に落ちている何かに気付いた。
「……これはっ――!!!!!!」
落ちていたものを拾い上げると、光は走り出した。
そこに落ちていたのは、山吹色の巾着。
それは紛れもなく、さっき菜子が持っていたものだった。
「こんなの…自分でどっか行くんなら、置いていくはずがない…!!!!」
そして確信した。
あいつ等だ………!!
あいつ等に誘拐されたに違いない。
自分達のためなら手段を選ばない。
…そういう奴等だ――。