裏道万屋の事情
「ところで、何でお前本拠地知ってたんだ??」

「前に――」



そこまで言いかけてちらりと柊を見る光。



「…姉さんがしつこくされ始めた頃、あいつ等を追跡したんです。」

「ひぃ…!!あれだけ何もしないようにって言ったじゃない?!」

「わかってるよ…でも――」

「でもじゃないでしょっ??!!」

「まぁまぁ、そんなにしかるなって。姉ちゃん思いの良い弟じゃねぇか。」

「あのですね、桜庭さん。この子本当は――」









「輝明さんっ!!!!」



柊が何か言おうとしたところで、嵐と諒が来た。



「おー、やっと来たな。」

「輝さん、結局菜子は見付かってないの??」

「あぁ…それにあんまもたもたしてらんねぇぞ。あいつは…おそらく誘拐された。」

「なっ??!!」

「!!」



輝明の言葉に目を丸くさせる諒と嵐。

もちろん嵐のわずかな表情の変化には輝明しか気付いていないが。



「お前ら、空手の腕は多少あんだろ??」

「はぁ…、まぁ…。」

「じゃあ――















ちょっとばかし手伝ってもらおーか??」



輝明はそう言ってにっと笑った。
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