裏道万屋の事情
「悪いけど今はまだ行かせる訳にはいかないんだよねー。」

『……まだ…って…??』



一体どういうこと??



「だって折角俺達への目が他へ向けられてんじゃん??君の仲間のおかげでね。許可も降りたことだし、これで心置き無く逃亡できるな。」

『はっ??!!』

「とりあえずここは君の仲間に任せて、俺達はあいつ等から行方を眩ませないとね。」



いや、ちょっと待て――


このちょんまげ、あいつ等の仲間じゃ無い訳?!


何かこっちの仲間みたいな発言なんですけど??!!



「…何かおかしい…。そう思った??」

『もちろん。…あんた一体何者なんです??』

「敵を欺くにはまず味方からって言うからね。」

『あたし達の、味方…?!』

「そ。」



そう言うとちょんまげはあたしの手首の紐を外した。



「はい、行くよ。」



訳が分からないままあたしはちょんまげと一緒にその場を後にした。
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