裏道万屋の事情
『うん、やっぱこれが一番自分らしくてしっくり来るな!!!!』
樹里が持ってきてくれた自分のいつもの服に着替えたあたし。
黒地で英語がプリントされたロンTに青のジーパン、そしてスニーカーという超シンプルスタイル。
動きやすいのが良いからね。
『確かに――たまには浴衣も良いかもしれないけど、あたしはやっぱりこっちが好きだな。』
「そうだね。その方が菜子らしいわ。」
『でしょっ??』
『女らしさ』とか、あたしはまだそんなのどうだって良い。
要は、自分は自分らしくいれば良いと思う。
「さて。準備できたなら戻ろう!!菜子も樹里も、本当に大丈夫なんだね??危険なのは分かってる??」
『もちろん!!』
「あたしは足には自信あるんで絶対捕まったりしないですから。」
さっき樹里に状況を説明している際にあたし達を置いて戻ろうとしていた響さんを2人で説得し、3人で戻ることになった。
…だってさ。
あたしのせいで輝さん達が今喧嘩してるんだよ??
その原因のあたしがこんな所で無事を祈ってるなんておかしいじゃん!!!!
そもそもそんなのキャラじゃないしね、うん。
『叶 菜子16歳、自分は自分らしく我が道を真っ直ぐ行かせて頂きまっす!!』
自分は、自分らしく。
ありのままのあたしでいるんだ。
教訓 19... -end-