裏道万屋の事情
『ってか…響さんさっきのは何??』



あんなたくさんの人達があたし達を助けてくれた。


しかも、年も性別もバラバラ。


全員が響さんの友人だとは考えにくい。


だってさ、戦闘能力ハンパないちびっことかおじいさんまでいるってどーゆうことだよ??!!


有り得ないっての!!!!!!



共通点はみんな強かったってことだけだ。



「万屋はみんな提携してるって言ったじゃん??こんなこともあろうかと俺が色んな万屋達に協力要請しといたんだよ。」



その言葉に輝さんと弘さんが一瞬動揺したのをあたしは見逃さなかった。


響さんはそんな輝さん達の方を向いた。



「遅れたけど初めまして、『裏道万屋』。俺は『変装万屋』の支倉 響。」

「俺は…桜庭 輝明。助けてもらっちまったな。礼を言う。」

「いや。――ただ、聞きたいことがある。」



ただでさえ静かなロビーが一層静まり返る。


輝さんと響さんはお互い見合ったまま身動きひとつしない。


そんな2人の様子にみんなの視線が集中した。



「――何故…提携をしない??」

「……………。」



提携とはおそらくさっき言ってた万屋同士が助け合うためにするもののことを言っているのだろう。
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