裏道万屋の事情
――コンコンッ――



弘さんが嵐の部屋のドアをノックした。






病院内は静まり返っていて、そのノックはやけに響いて聞こえる。





――シーン……――



返事は無い。



「寝てるのかなー??」



弘さんはもう一度ノックをした。

























「……………はい。」



弘さんがもう一度ノックをしようとしたところでかすかに返事が聞こえた。



扉を開くとベッドの上で上半身を起こす嵐がいた。



「何だよ、元気そうじゃねぇかお前。」

「…………うん、元気。」



嵐の声を聞いたあたし達は安堵の溜め息を漏らす。



良かった、いつも通りの嵐だ…。



「じゃあ、一応テストな。」

「うん。」



輝さんの尋問(??)が始まった。



「お前の名前は??」

「羽野 嵐。」

「お前の生年月日と年齢は??」

「1992年4月7日、17歳。」

「お前の通ってる学校名は??」

「私立青葉男子高等学校。」

「俺は誰だ??」

「万屋の輝さん。」

「お前が今ハマってることは??」

「猫と遊ぶ。」



そうか。


だからあのとき猫の世話してたのか…。

(※教訓 14...参照)
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