裏道万屋の事情
「ところでアラシはいないのかい??」



ヨリさんのその言葉にあたし達3人は表情を曇らせる。



「…何かあったのかい…??」



流石のヨリさんもあたし達の表情に何かを感じ取ったのか、真剣に尋ねてきた。


































「アラシが…ナオのことを思い出せない…??」

「あぁ…。他の記憶はあるのに菜子のことだけぽっかり抜け落ちてるんだ。」

「…成る程。しかしそれならば、尚更だろう。前と同じことを繰り返せば思い出す可能性が高いんじゃないかい??」



「…確かにそうかもねー。」

『こうなったらやるっきゃないか…!!』

「試してみる価値はあるかもな。」



こうしてあたし達の意見はまとまり、また海の家の手伝いに行くことにした。






























――そこに何が待ち受けているのか、このときのあたしは何も分からなかった。
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