裏道万屋の事情
「今日はいつもより遅かったね。何か用事あった??大丈夫??」

「今日はちょっとお友達とお話をしていまして…。でも大丈夫ですわ。」

「そう??もしかして、俺のために友達の方を早く切り上げさせちゃったりしたかな…??」

「そ、そんなことありません!!普通にお話が終わってから来ましたもの。私こそ遅れてしまって申し訳ありません…。」

「そっか…なら良かった!!全然いーよ!!友達との約束は大事だからな。俺に気を遣うことないよ。」

「はい。ありがとうございます…!!」


『「「………。」」』


ほのぼのとした暖かい空気と二人のきらきらとした笑顔―――


『何か……良いですね…恋の理想図って感じですね…。』

「…これじゃぁ俺等、人の恋愛模様覗いてるだけな気がしてきた……。」

「とりあえず……外に出かける要因はこれに間違いなさそうだね。今日のところはこれくらいにしておこうか。また明日愛羅ちゃんに話聞きに行こう。ってことで、明日もよろしくね菜子ちゃん。」

『え?!あたし明日学校ですってば!!!!』

「じゃー学校終わったら急いで帰って来い。」

『ぇえええ〜〜〜??!!』

「お前愛羅の役に立ちたいんだろ??だったら文句言わずに手伝えや。」


―――そうだ。

愛羅の叶わないかもしれない恋。

あたしが応援してやらなくて誰がするんだ!!!!


『アイラブ愛羅っ!!!!世界中が敵に回ろうともあたしは愛羅の恋を応援するゼ!!』

「決まりだな。」

「じゃ、今日は帰ろう。」


さっさと歩いていく輝さんと弘さん。





――チクショーやられた…。
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