裏道万屋の事情
あ――――

何でこうなるんですか。
何で朝からあたしはこんな疲れなきゃならないんですか。

やっぱり嵐に振り回されているようだ。



ああああああたしの日常はいずこぉ〜〜〜〜???!!!







トイレを済ませて廊下を歩くあたしは、何となしに窓の外を見た。





















いたぁ―――――!!!!!!

どうやら一時間目が体育らしく、体育着を来た嵐が校庭を歩いているのが見える。


今だ!!

今しかチャンスはない!!!!


あたしはマッハで教室に戻ってお弁当を引っ掴むと、さっき嵐が見えた窓のところへ急いで引き返した。


『嵐〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!!!』


今まで生きてきた中で一番声を出したと思う。

聞こえるかな??と思ったら、嵐はあたしの方を見上げて手を挙げた。


お弁当―――

行けっ跳べ〜〜〜〜っ!!!!


あたしはお弁当を嵐目がけて思いっきり勢いを付けて放り投げた。


無表情な嵐は簡単にそれをキャッチしていた。

我ながらナイスコントロール!!!!

お弁当の中身はきっとジャングルだろうけど、腹に収めれば同じだしまぁ良いよね、うん。


あたしが手を振ると嵐も手を振り返してくれた。
それを確認して、あたしは教室へ戻る。


キーンコーンカーンコーン…


タイミング良くチャイムが鳴り響いた。



どーにか渡せて良かった。
危うくあたしの努力が水の泡になるとこだった…


まぁあたしが二つ食べても良かったけどね!!!!
< 69 / 317 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop