俺様姫とヘタレ王子の恋愛事情
「さっきの話し聞いてたけどさ、悲鳴上がってたんでしょ?」
『うん。』
「それはね、嫌とかの悲鳴じゃなくて、いとちゃんがカッコイイ事した“黄色い”悲鳴って感じかな?」
「容姿も良くて頭もいいし、スポーツも出来る。俺様だけど完璧ないとはみんなの憧れ。お姫様でもあり王子様でもある。だから悪い意味の俺様じゃないんだよ(笑)」
健斗くんの話しに説明を足すように話し出した楓。
「いとちゃんは知らないと思うけど“俺様姫ファンクラブ”ってあるんだよ(笑)」
『ブッ!!!』
ファンクラブって(笑)
流石、私だなぁ!!
「ちなみに小野先生ファンクラブもあっりまぁす!!し・か・も“ヘタレ王子”って呼ばれてるんだよ、小野先生カッコイイのにぃ(笑)」
「だから王子様を助けたお姫様ってので騒がれてたんだよ(笑)」
『そう言う事ね。納得。』
その日の学校は私がヘタレを助けた話題で持ち切りになっていた。
あーあ、関わりたくなったんだけどなぁ……。
観察なんかするんじゃなかった。
『観察一日目終了、乙。』