俺様姫とヘタレ王子の恋愛事情
不覚にも私はヘタレを少し見直してしまった。
こんな恥ずかしい事を楓には言えない。
こういう時ポーカーフェイス出来て良かったと思えた。
そんな気持ちを心の隅に片付けようとしてる途中の昼休みのサッカーだ。
本日二度目の不覚。
キャッキャと嬉しそうにヘタレを見てる楓。
机に伏せながらもチラリと見てしまう私。
『……ムカつく(ボソッ』
「何がムカつくの?」
『えっ?』
聞いてきたのは健斗くんだった。
「いとちゃん、さっきから百面相みたいにコロコロ表情変えて最後にムカつくって言ってたよ。」
なんですと?!
この私が百面相だと?!
ありえない!ありえない!
『そう?』
「うん。」
『昨日のこと思い出して、い、イライラしてただけだよ。あはは。』
私は今、ちゃんと笑えてるのだろうか?
健斗くんは何故か鋭いところがある。
「そう?ならいいんだけど。」
『うんうん!そうなんだよ!』
そっかぁと言いながら頬杖しながら私を見る健斗くん。
「小野先生に惚れたのかと思った(ボソッ」
ドキッ
ちょうど予鈴がなり私は違うと言えないまま授業が始まってしまった。