俺様姫とヘタレ王子の恋愛事情
桜が風に揺られ、幾つかの花びらが舞う四月。
私は高校の門をくぐった。
今日から高校生。
中学からの友達も多く、特に変わらないなぁと思いながら私は入学式の為に体育館に向かっていた。
首席の私は新入生代表の挨拶の為、壇上に上がった。
中学で生徒会長をしていたから挨拶には慣れていて、何事もなく挨拶を終え、私は自分のクラスの列に戻った。
「いと、お疲れ様!」
『ありがとう。』
入学式が終わり、中学からの親友の大野 楓(オオノ カエデ)に声をかけられた。
「流石、いとだね!もうみんなに注目されてたね!」
『はっ。何言ってんの、楓?そんなの当たり前じゃない。だって私だよ?アハッ』
「はい、出たー。いとの俺様(笑)」
そんないつもと変わらない話をしながら私達は教室に向かった。