俺様姫とヘタレ王子の恋愛事情
開始10分。
流石、私。
もう終わっちゃったよ。
残り暇だなぁ。
『はぁ。』
私は静かにため息をついた。
するとトントンと肩を楓に叩かれた。
「いと、もう終わったの?」
『うん。だから暇だなぁって。』
「流石だね。じゃあ小野先生観察してみたら?今、なんかウトウトしてて可愛いよ(笑)」
楓に言われて、教卓横で椅子に座るヘタレを見てみた。
キュンッ
「ね?可愛くない(笑)?」
『か、可愛くないわよ。それより楓。早くプリントしたら?』
「はいはい、やりますよー。」
プリントをやり出した楓を確認してからまたヘタレを見る。
本を読みながらもコクンコクンと頭が揺れる。
食後の自習は生徒の私でも睡魔に襲われる。
けど、寝ないようにと必死に目を擦ったりカクンッとなったらみんなに見られていないか焦って周りを見てる姿が可愛かった。
『認めるしかないか…(ボソッ』
今日はほんのちょっと可愛いと認めよう。
ヘタレをこんなに観察出来ることがないから残りの時間はずっと見ていた。