俺様姫とヘタレ王子の恋愛事情
楓と同じクラスになり、出席番号順なので席も後ろという、喋りやすい席。
席に着き、楓と喋ろうと後ろを向くと横から声をかけられた。
「さっきは挨拶お疲れ様。俺、田中
健斗(タナカ ケント)よろしくね。」
『あぁ、よろしく。私は「桜彼 いとちゃんだよね?」
私の声に被せるように名前をニコリと田中くんに言われた。
「流石、いと。有名だね!私は大野 楓だよー、よろしくね!田中くん!」
『楓、私が有名なのは当たり前。だって私だし。よろしくね、田中くん。』
「あれ?いとちゃんってちょっと痛い感じ?(笑)あと、健斗でいいよ!楓ちゃんもよろしくね!」
「あはは。健斗くん、いとは痛いって言うか俺様なんだよねー(笑)」
そんな話をしているといつの間にかクラスメイトに囲まれていて、一瞬のうちに私が俺様だと知れ渡った。