俺様姫とヘタレ王子の恋愛事情
「数学準備室にレッツゴー!!」
『……レッツゴー……』
重い足取りで楓の後を付いて行く。
なんか数学準備室までの道のりが遠く感じるし、凄く視線感じるんですけど!!
『ね、楓。凄く視線感じるんだけど……』
「あー。だって姫様が王子様の所に向かってるんだよ。そりゃみんな気になるよね(笑)」
『え?なんでヘタレの所に行くってわかるのよ?』
「それは私がさっき大声で“数学準備室”って言ったし、みんな、いとが小野先生を観察してるの知ってるから(笑)」
『なんですと?!』
バレてないと言うか気付いてないと思ってたのに。
しかも周りが何か言ってる気が……
「姫様、小野先生の所に行くみたいよ。」
「姫様と小野先生って付き合ってるのかしら?」
「えー!!それはショックかも!でも美男美女だし、お似合いかも!」
「流石、学園のお姫様と王子様だわ!理想のカップルね!」
?!?!?!
カップルだと?!
付き合ってませんし、好きではありませんけど?!
『楓。変な話になってるみたいなので、キレてもいいですか?』
「キレないでよ!仕方ないじゃん学校一有名な二人なんだし(笑)」
笑い事じゃないよ!
マヂで勘弁して頂きたい!!
なんて考えてたら数学準備室についてしまった。