俺様姫とヘタレ王子の恋愛事情
ピンポーン
「楓参上!!」
『はいはい。今から夕食の準備で浩兄の家行くから荷物置いてきて。』
「はーい!」
私は楓に家の鍵を渡し、先に隣の浩兄の家に向かった。
暫くして楓がやって来た。
「今日の晩御飯はなんですかー!」
『あー、人数多いから鍋。』
「えー!この暑い季節に?!?!」
『嫌なら食べなくても結構です(笑)』
「鍋楽しみだなぁ!!」
楓は焦りながらキッチンに入ってきた。
その後は二人で具材を切りながら楓と浩兄の馴れ初めを聞いた。
楓が幸せで私も嬉しい気持ちになった。
話してる時の楓の幸せそうな顔ときたら(笑)
『私も彼氏欲しい!!』
「でもいとってまだ初恋の人が好きなんでしょ?」
『まぁね。インパクト大だからね!』
「でも顔は覚えてないし、名前も知らないんでしょ?」
『そうなんだけど……でも好きなんだもん!!』
そう。私には忘れられない初恋がある。
あれはまだ私が五歳の頃だったーーー