俺様姫とヘタレ王子の恋愛事情
この日は全国大会に出れる1チームが決まる日で準決勝から始まった。
凄い接戦で1セットずつ勝利を取り3セット目に入った。
『がんばれーー!!』
私は食い入る様に試合に集中した。
試合も終盤になり23対24で後輩さんチームがマッチポイントになった。
「いと、これで点数が入れば決勝だ。」
『ほんと?!じゃあもっとおうえんしないと!!』
「そうだな!!」
『赤色ー、がんばれーー!!』
その時コートにいた後輩さんチームのネット前の一人と目が合った。
私は何故かそのお兄ちゃんから目を離せなかった。
ピー
サーブが放たれた。
相手チームがレシーブを高く打ち上げ後輩さんチームにボールが行く。
「チャンスだ!!」
浩兄がそう言って私は手をギュッと握り締めコート見る。
目が合った人がトスされたボールに向かって高くジャンプする。
その瞬間
彼に真っ白で綺麗な翼が見えた。
バシンッ
ピーピー
「ゲームセット!」
多分、この時だろう。
私が恋をしたのは……