俺様姫とヘタレ王子の恋愛事情
『楓、暑くなるから窓開けといて。』
楓に指示していると
「ただいまー。」
浩兄の声が聞こえ、私はリビングの扉の前で腕を組み待ち構えた。
ガチャッ
『おい、コラ!淫行教師!何、私の親友をたぶらかしてんだよ。コノヤロー。』
「あっ、楓だぁ!!」
私を無視して楓に話しかける浩兄。
『無視すんな!』
「イテッ!」
浩兄のお尻を一蹴り。
何が「楓だぁ」だよ!!
『で、淫行教師(笑)なんで黙ってたのかな?』
「あー、黙ってたとかじゃなくて、タイミングがなくてみたいな?(笑)」
楓お得意の“てへぺろ”をする浩兄。
楓がするから許されるのであって、いい大人の男、しかもクールでイケメンと騒がれる教師がやってはいけないでしょ?
立花先生のファンの生徒さん、代わりに謝ります、すいません(笑)
「こ、こんばんは…」
『うおっ!!』
浩兄の後ろからゆっくりと顔を出したのはヘタレ教師。
『先生。もっと存在感出して下さい。』
そう言って軽く舌打ちをすると浩兄からチョップをくらった。