俺様姫とヘタレ王子の恋愛事情




入学から数ヶ月。


この学校には騒がれている人が二人いるとわかった。
勿論、一人は私だ。それは当たり前か(笑)


この数ヶ月、入れ代わり立ち代わり全校生徒が私を見にクラスに来ていた。


「凄い人気だね、いとちゃん。」


『流石、私って感じ。』


「あはは。いとちゃんのその性格に俺、慣れてきちゃったよ。」


健斗くんが笑いながら席に着いた。


「健斗くん!おっはよー!」


チャイム、ギリギリに楓が教室に入ってきた。


「いとー!なんで置いてくのよ!!」


私はいつも楓と登校していた。
今日もいつものように一緒に来ていたのだけど


『だって楓、ヘタレと喋ってたし。』


「ヘタレじゃないよ!小野先生だよ!今日もかっこよかったぁ!」


下駄箱でヘタレを見つけた楓はヘタレの元へ飛んで行ってしまったので先に教室に来ていたという訳。


そして先ほどから私が“ヘタレ”と呼んでいる先生が、学校で騒がれているもう一人だった。




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