俺様姫とヘタレ王子の恋愛事情
☆02-3 私と浩兄の両親
『「ただいま。」』
「「おかえり。」」
何故か帰りも先生に自然と手を差し出され、つい繋いで帰って来てしまった。
もちろん、玄関前で手を離したけど。
『アイス食べながらDVD観よー。』
私はDVDをセットして、楓の方を向いてニヤリ
『楓、逃げたらダメだよ(笑)』
「も、も、も、も、もしや!!」
『イエス!ホラー!』
夜中に観ると言えばホラーでしょ?
私はホラーが大好き。
楓は大の苦手。
これは浩兄の事を黙っていたお仕置きなのです(笑)
『浩兄達も観る?』
「俺も浩輔も明日は昼からだから観る!な、浩輔?」
「はい。僕、ホラー好きなんで。」
これまた意外。
ヘタレだからホラーは絶対苦手だと思ってた。
『さぁ、始まる前にお菓子とジュースとアイスの準備を!』
「太るぞ。」
『うっさい!浩兄、ビールなし!』
私は準備したビールをしまう動作をした。
「ごめんなさい。」
『素直でよろしい。はい、どうぞ。』
そう言って浩兄にビールを渡し、私は定位置に座ってアイスを食べながらDVDが始まるのを待っていた。
「いとって宣伝飛ばさずに見るよね?」
『だって面白い映画あるかもしれないじゃん。』
私は宣伝を食い入るように観る。
もちろんホラー映画のDVDだからほぼホラーの宣伝。
後ろから楓の叫び声が聞こえる。
『まだ、宣伝なのに(笑)あ、これ面白そう!』
「僕もそう思います!」
『ほぎゃっ!』
知らぬ間に私の右斜め後ろに先生がいて、ビックリした。
ある意味ホラーだよ(笑)
「いとは小野先生にビビり過ぎ(笑)」
『楓よりマシ。でも先生ももうちょっと存在感出して!』
“浩輔は存在感あるぞ!”って浩兄が先生を励ましてた。
まぁ私が先生の事を気にしなさ過ぎなんだけどね。