俺様姫とヘタレ王子の恋愛事情
DVDも終わり、時間は夜中の2時。
叫び疲れたのもあって楓が凄く眠そうだった。
『楓、部屋戻ろっか。』
「う「えー!」
『何が“えー”だよ。この淫行教師め!』
私に向かって歩いていた楓を捕まえて駄々を捏ねる教師が1人。
後ろで後輩が困ってるぞ!!
『あのね、今日は先生も居るんだし、楓は私の家に泊まりに来たの。わかった?』
「…………ヤダ。」
いい歳の大人が“ヤダ”って…
どんだけ楓が好きなんだよ!!
「そうだよ、ひーくん。お泊りは今度ね?」
「わかった。」
ん?
楓の言うことは聞くのかよ!!
まぁ上手く収まったみたいだからいいとするかと苦笑いをすると先生も同じ表情をしていた。
『じゃあ先生、浩兄の事、お願いします。』
「わかりました。」
浩兄から楓を引きはがし私は玄関に向かう。
『おやすみなさい。』
「おやすみなさい。」
扉を閉めると浩兄が叫んでいたけど気にせず家に戻った。