語り話
俺は次の日も、そのまた次の日もあの子に連絡を送った。

マオは嫌がる素振りもなく、いつも快く返信をくれた。

俺はだんだんとマオのことを知り、だんだんと彼女への気持ちが大きくなった。

ある時、あまりにも頻繁に俺が連絡をするから面倒だと言って、マオが自分のメアドを教えてくれた。

俺はなんだか彼女に近づけたような気がして嬉しくて、すぐにメールを送った。

マオは前と変わらずに普通に接してくれた。

彼女との話題でよく出てくるのは音楽のことだった。

彼女は部活でドラムをやっているが、ギターもベースもしまいにはボーカルもやってみたいと裏でひっそり練習をしているだとか。

ネットに歌ってみたを上げてみたいとか、よく夢に近い話をしてくれた。

そんな彼女に影響されてか、俺もギターなんて買ってしまって、遊びに来た友達に笑われたりもした。

だけどそんな毎日が幸福だった。
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