語り話
僕は人と関わることを避けてきた。

傷つくのが怖い。

嫌われるのが怖い。

自分を守るために。

そのはずなのに…。

僕の感情は言うことを聞いてくれない。

彼女のことが知りたかった。

身長は僕より小さいかな?

どんな声で話すのかな?

どんな顔して笑うの?

彼女のことを考えると、胸の奥がぎゅってして。

時折顔が熱くて、泣きそうになる。

学校にいるときは落ち着かず、早く帰って彼女と話したかった。

でも、彼女と話せば落ち着くわけでもない。

むしろ心臓が騒がしくて、息さえ忘れたり。

最近の僕はどうもおかしかった。

そんなある時、僕は運悪く帰り道で待ち伏せしていたいじめっ子の標的にされた。

これから彼女と話せるというのに、僕の気持ちは沈んでしまった。

きっと、幸せに浮かれあがってた罰が回ってきたのだ。

僕はそう思った。

何を思ったか、僕はチャットで心にもないことを言ってしまった。

名無し《僕、ここには相応しくないから
    今日でやめます。




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