語り話
いざとなると、怖じ気づいてすぐには自分の思いを伝えることはできず、他愛のない雑談から始まってしまった。

その中で初めて知ったことがたくさんあった。

彼女が三つも年上だったこと。

彼女もいじめにあった経験があったこと。

彼女が本当に強い人だと言うこと。

ただただ、質問をする僕に嫌がる素振りもなく当たり前と言うように彼女は語ってくれる。

だけど、いくつ目かの質問で彼女が僕に質問をして来た。

マオ》ところで相談ってなに?(´・ω・`)
さっきから質問ばかりだけど…?

僕は喉の奥がグッとなるのを感じた。

先延ばしにしていて上手くまとまっていない言葉を彼女にどう伝えていいかわからなかった。

パソコンの画面に点滅する黒い縦線が僕を急かしているような気がした。

何かを決意しては打ち込み、納得ができなくて消したり、そんなことを繰り返した。

名無し》僕…。
マオのことを考えると胸が苦しくなったり
ドキドキしたりするんだ…
こんな感情は初めてでこれってなんなの
かな?

僕の必死のことばに彼女はすぐには答えてくれなかった。

彼女を困らせた。

彼女に迷惑をかけた。

そんな気がしていつもとは異なる痛みに胸が襲われる。



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