お子様的お坊ちゃま的理論。
それにしても、この男逹の目的は何なのだろう?


まず、あたしとキヨミの名前を知っていた事が気がかり。


そして、何故裏玄関から出てくるのを知っていたんだろう?



うぅ~頭脳派じゃなく体育会系なタイプだから、考え事をすると頭がパンクしそう…!!



「ねぇ、キヨミ。あたし達どこに連れてかれると思う?」



「さぁ~?それは、お楽しみってやつじゃない?」


キヨミから返ってきた、あまりにもお気楽な言葉に肩の力がグッと抜けた。




「キヨミ危機感持とうよ!!」



相変わらずキヨミは、のほほんと窓の外を見てる。



ダメだ。これからどうなるのか気になってしょうがない。



こうなれば、単刀直入に聞くしかない!!



「ねぇ、あたし達どこに連れてかれるの!?」


バカ広い後部座席から身を乗りだし、助手席の男に聞いた。



「それは着いてからのお楽しみですよ。」

男はフッと笑みを漏らした。



…って、それさっきのキヨミの言葉と変わんないじゃん!!



「ねぇ、そんなんいいから、ちゃんと教えてよ!!」

何度聞いても、男は笑みを漏らすだけ。



本当コイツ使えない!!

質問に答えろっ!!



そうして、怒りのパンチを栗だそうと、拳を振りかざそうとした瞬間、助手席の男に拳を捕まれた。



「…へ…?」

声にならない声を出すと


「暴力はいけませんよ、お嬢様。」


笑みを浮かべながら、気色悪い声で諭された。



その声を聞いた瞬間、肩の力が抜け、全てがどうでも良くなってしまった。
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