☆生徒会長と幽霊☆
『良正君、外が暗くなってきたよ!』
「あぁ、もう帰る」
良正君は帰り支度をし始める。
『ねぇ、良正君。帰りに友達とお茶したり、カラオケ行ったりしないの?』
「そんな無駄な時間が俺にあると思うか?」
でた!
無駄な時間がって、思い出作りたいじゃん!
せっかくの出会いなのに!
『良正君は青春を無駄にしてるよ!』
「そんなモノが、将来何の役に立つ」
『ちょっと凹んだ時とか、心が折れそうになった時、楽しかった時の事を思い出して元気が出たりするんだよ!』
夕暮れの帰り道。
夕日が良正君の横顔を照らす。
「そんなもの、必要だとは思えない。結局、自分の力で生きていくしかないんだ。誰も、助けてはくれない」
良正君…………
そんなに冷たい事を言いながら、寂しそうな顔をするのは何でだろう。
学校でも一人の良正君。
嫌われているわけではないのに、何でも出来ちゃう人だから、人が遠くなっていく……
今日は、木田 良正という人の孤独に触れた1日だった。