☆生徒会長と幽霊☆
カラオケ店につくと、良正君は困ったようにフロントを見つめる。
「これは、どういうシステムだ?」
「いらっしゃいませ!お客様、こちらで受付お願いします!」
店員さんに呼ばれ、良正君は戸惑ったように受付前に立つ。
「1名様のご利用ですね」
「あ、いや2名………」
『2名で!』
良正君と揃って答えると、店員さんは首を傾げる。
「後から合流する形でよろしいですか?」
「あ、いや。すみません、1人で大丈夫です」
そっかー!!
私、幽霊だった!!
そりゃあ、店員さんにも見えないはずだよね!
「利用時間はどうしますか?」
『2時間で!!』
「じゃあ、2時間で」
店員さんからマイクの入ったカゴを受け取る。
「今、ヒトカラ流行ってますよね!楽しんで下さいね~」
「はぁ………ヒトカラ?」
良正君は首をかしげながらそれを受け取り、エレベーターへと乗り込む。
『ヒトカラは、一人カラオケの事だよ!』
「一人カラオケ?そんなものが流行ってるのか?」
『一人で歌い放題だし、練習も出来るしね!』
ただ、一人で入るのにちょっぴり勇気がいるんだけども!
「わからん、歌手でも無いのに、練習が必要なのか?自分を過大評価しすぎだ」
『えー!だって、音痴じゃ恥ずかしいじゃん!』
まぁ、確かに歌手じゃないけど、好きな人とカラオケ行く時に、すこしでも良い所見せたいって思うから…
「お前はその練習時間を勉強に使え」
『うっ………』
それを言われると、言い返せない!!