☆生徒会長と幽霊☆



カラオケ店につくと、良正君は困ったようにフロントを見つめる。


「これは、どういうシステムだ?」

「いらっしゃいませ!お客様、こちらで受付お願いします!」


店員さんに呼ばれ、良正君は戸惑ったように受付前に立つ。



「1名様のご利用ですね」

「あ、いや2名………」

『2名で!』



良正君と揃って答えると、店員さんは首を傾げる。


「後から合流する形でよろしいですか?」

「あ、いや。すみません、1人で大丈夫です」


そっかー!!
私、幽霊だった!!
そりゃあ、店員さんにも見えないはずだよね!



「利用時間はどうしますか?」

『2時間で!!』

「じゃあ、2時間で」


店員さんからマイクの入ったカゴを受け取る。


「今、ヒトカラ流行ってますよね!楽しんで下さいね~」

「はぁ………ヒトカラ?」


良正君は首をかしげながらそれを受け取り、エレベーターへと乗り込む。


『ヒトカラは、一人カラオケの事だよ!』

「一人カラオケ?そんなものが流行ってるのか?」

『一人で歌い放題だし、練習も出来るしね!』



ただ、一人で入るのにちょっぴり勇気がいるんだけども!


「わからん、歌手でも無いのに、練習が必要なのか?自分を過大評価しすぎだ」

『えー!だって、音痴じゃ恥ずかしいじゃん!』


まぁ、確かに歌手じゃないけど、好きな人とカラオケ行く時に、すこしでも良い所見せたいって思うから…


「お前はその練習時間を勉強に使え」

『うっ………』


それを言われると、言い返せない!!


















< 27 / 39 >

この作品をシェア

pagetop