☆生徒会長と幽霊☆
「ありがとうございました~」
店員さんに見送られ、私達は外へと出る。
空は夕暮れに赤く染まっていた。
良正君を見ると、良正君は空を見上げていた。
その横顔が、いつもより楽しそうに見えた。
「……悪くなかった」
『へ?』
良正君は、前を見つめたままそう呟いた。
悪くなかったって何が??
首をかしげていると、良正君はプッと笑う。
「無駄な時間も良いものだって言っている」
『ええ!本当に!?』
「お前が言ったんだろうが、楽しい時間が心の支えになる…とかなんとか。その……まぁ、気晴らしになった」
楽しかったとは言えない意地っ張りだけど……
私と過ごした時間が、良正君にとって楽しい時間だって思ってもらえた事が嬉しい!
『良正君!』
「………な、何だ?」
照れている良正君の顔を真っ正面から見つめる。
『ふふっ、また行こうね!今度は、違うことしよう!それで、沢山思い出作ろうね!』
「落ち着け。まぁ……考えておく」
そう言って歩いていってしまう良正君の背中を見て笑ってしまう。
良正君、もっと、もっと……
一緒に思い出作ろうね!!