☆生徒会長と幽霊☆
『よし!今日もカッコイイ!これで、安心して合宿に、行けるよ。さぁ、レッツゴー!』
「お前、何故俺よりはしゃいでるんだ?行くのは俺だろ」
心底呆れたように良正君は半目になる。
確かに、良正君が行くんたけど、私が取り憑いている以上は私も一緒に行くのと同じだもん。
『良正君が行くって事は、不可抗力で私も一緒でしょ!それに、こういう学生イベントを体験したかったの!』
体が無い私には、体験出来なかった事だから。
「解せんな。そんなに高校生活が重要か?人生のたった一時だろう?」
良正君………
前も言ったけど、その一時が人生を変えるくらい大切な思い出になるかもしれないのに。
『その一時が大切なんじゃん!』
「あぁ、お前の言う思い出が支えになるって話か」
あ、良正君覚えててくれたんだ………
私の話なんて、聞き流してそうなのに。
『今日1日が、良正君を笑顔にしてくれる素敵な思い出になるかもしれないよ。だから、今を楽しんでよ、良正君』
幽霊である私の時間は止まってしまっている。
私には無い今を持つ良正君には、時間を無駄にしないで、楽しい人生を楽しんでほしいよ。