☆生徒会長と幽霊☆


「楽しむ…か。その方法が俺には分からない」

『良正君………』


良正君、きっと色んな感情を抑えて生きてきたんだ。
秀才、生徒会長、病院を継ぐ事…それは良正君の素直に生きる自由を奪ってしまったのかな。

良正君が人より大人びているのは、そうでなくちゃいけなかったから……


なんとなく、良正君という人が分かってきた。



『わからないなら、私が教えてあげる!』

「お前………」


知らない事は教えてあげる。
楽しい気持ち、嬉しい気持ち、好きになる気持ち、悲しい気持ち、怒りも全部。


忘れてしまった事は思い出させてあげる。
だから、良正君は一人じゃないよ?


『良正君には私がついてるんだから!』

「ハッ…幽霊のくせに、生意気だ」


そういいながら、嬉しそうに笑ったのを、良正君は気づいてるだろうか。


良正君、少しずつでいいから、そうやってたくさん色んな顔を見せてね。








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