☆生徒会長と幽霊☆
「ぷっ……な、なんすか!突然!」
すると一年生の男子生徒が、笑いを堪えながら突っ込む。
「本当に!生徒会長、スーツはヤバすぎますよ~」
「会長も、そんな所があるんだな。知らなかったよ」
「なんか、親近感沸いた!よろしくお願いします、会長!」
男子生徒から始まり、次々に班のメンバーが笑い出す。そんなメンバーを良正君は驚いたように見つめていた。
『良正君、良かったね!ほら、笑顔、笑顔♪』
「あ、あぁ……はは」
ぎこちないけど、良正君が笑う。
それを見て、みんながホッとしたのが分かった。
「会長!ウォークラリー頑張りましょうね!」
「あぁ、俺たちなら負け無しだ」
眼鏡を押上げながら、自信満々な良正君は、どこか嬉しそうだった。
良正君、誰かと解り合う事を諦めないで。
こうやって、心を通わせる事だって出来るかもしれないんだから…
そんな奇跡を、人は起こせるんだから…