黒田さんと山海くん

「痛って。」


この人どんだけ力あるんだ?


「直人が好きだったら、こんな事しても無駄だよ。直人にアピールしなよ。」


あ、ヤバい。思った事口に出しちゃった。


「あー本当生意気。」


「だね。こうなったら、」


「あれだね。」


そう言ったかと思ったら、3人組が教室から出て行った。


私も出たいけど、蹴られた時に足首をひねったらしく、痛くて動けなかった。


「じゃあね。」


そう言われてドアを閉められ、鍵をかけられた。


どうしよ・・・今日は親友の明梨(あかり)は休みだし。


あ、でも今は朝だから、資料とか取りにくる人が来るかもしれない。


そう思っていると、「キャー」とかいう声が聞こえた。悲鳴じゃなくて、黄色い歓声の方の。


これ、直人だ。コッチにきてる・・・助けてもらおう。


そう思った。直人がここを通ったとき、直人と目があった。


・・・だけど、直人はプイっとあっちの方を向いた。


え?私が居るの完全に気づいたよね?なんで助けてくれないの?
 



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