黒田さんと山海くん
ムカツクあいつ
《山海side》
「カッコいい~!」
「なんで今まで隠してたのぉ~。」
朝、教室に行くと、いつもより騒がしかった。
「なんで騒がしいんだ?」
俺の周りにいる女達に聞いた。
・・・俺はこんな派手な人達は嫌いだけど。
「なんか、水国くんがカッコ良くなっていたらしいよぉ~。」
水国って、いつも美麗といる奴か。ってか、アイツってカッコ良かったのか。
教室に入ると、見たことが無い人がいた。
あ、あれが水国か?ずいぶん変わったな。
・・・アイツが美麗と話してるのがむかつく。
不意にそう思った。こんな事を思うのは、良くあるけど。
理由は分かってる。この気持ちは、小5の時からだ。美麗が他の男子と仲良く話してるとむかつく。
それに水国は美麗の事が好きだ。
水国が地味な時は大丈夫だと思っていたけど、カッコ良くなってるから、焦る。
そして、美麗の誕生日。
ケーキを食べた後、美麗がどっかに行こうとしてたから、「おい!」って言って、手を掴んだ。
「お前どこ行くんだ?」
・・・なんか、行かせたくなかった。
手を掴んだ時、美麗はビクッとした。