黒田さんと山海くん
「うん!山海くんが足早いから、楽勝だよ!」
・・・そういえば、直人ってリレーのアンカーだったな。
「そっか。頑張ってね!」
「うん!それより、この借り物競走を頑張らなきゃね。」
「そうだね~。変なの出なきゃいいけど・・・」
「あ~確かに。好きな人とか出たらヤバいね。」
「私だったら、教室行って好きなキャラのストラップ持ってくるけどね。」
そう真顔で言った。
現実には好きな人いないから、二次元の好きな人を連れてくるしかない。
「ちょっ!!・・・っ!み、美麗、真顔で言わないで・・・くくっ!ぷっあははぁは~ヤバい!つぼった~」
紗樹はつぼったらしく、笑ってる。
「そこの女子!いま人数確認してるから静かに!」
隣のクラスの先生に怒られた。
「は、は~い。」
紗樹はまだ笑い足りなくて、声を抑えて笑ってる。
「紗樹いい加減笑うの止めて。」
「うん。ふー。よし!止まった!」
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「位置についてよーい」
バンッ!
前の列が走り出した。この列に紗樹もいる。
・・・あ、紗樹カード取った。当たったのなんだろ?
じっと紗樹を見てると、一瞬紗樹がこっち向いた。