黒田さんと山海くん
「そういえば黒田さんって、絵上手いんですか?」
「え?」
あれ?そんな話したっけ?
「始業式の時、ポスター作って来たとかなんとか話していましたから上手いのかな?と思って。」
あぁ~なるほど。
「上手くはないよ。春休みにポスター作れる人が3人しかいなくて、他の2人が壊滅的に絵が下手だから私がやることになっただけだよ。」
「なるほど。」
そういえば水国くんってなんで敬語なんだろ?別に敬語じゃなくても良いのに。
「水国くんって、なんで敬語なの?」
「あまり話してない人と話す時って敬語になりますよね」
「うん。」
「で、僕人見知りなのであまり仲いい人がいないから、敬語ばっかり話すようになって気付いたらこうなってました。」
敬語ばっかり話せるのすごいなぁ~。
「敬語の方が楽なの?」
「そうでもないです。」
「じゃあ私には、ため口で話して!仲いい方だし!」
「わかった。」
「あと、名前で呼んで?私もそうするから。」
「分かった。美麗さん。」
水国くんが返事をした時、ちょうど図書室に着いた。図書室を見てみると、机の上に本がいっぱい置いてあった。
これ全部本棚に戻さなきゃいけないのか・・・
「美麗さん、早く終わらせましょう。」
「そうだね。涼聖くんがんばろう!」
「うん。」
さっそく机の上にある本を、7冊くらいとって本棚に戻していく。