黒田さんと山海くん

去年も図書委員をやっていたから、本棚の位置はだいたいおぼえてる。


そのせいか、作業は早くすすんだ。


あと3冊って時に下に紙が落ちていて、すべってしまった。


景色がスローモーションのようにみえる。


「美麗さん!?」


痛・・・くない。


あれ?っと思って下を見てみると、涼聖くんがいた。


涼聖くんがいたから痛くなかったんだ。


その時気づいた。今の状態は私が涼聖くんを押し倒しているような状態なのだ。


「涼聖くん大丈夫?痛くな・・・」


私は立ち上がろうとして、涼聖くんの顔をみた。


涼聖くんは倒れた衝撃なのか、前髪分かれて顔が見えていた。


びっくりした。だって、涼聖くんの顔がイケメンだったから。


「あの・・・美麗さん?どいて?」


「あっごめん。」


そう言って慌てて涼聖くんの上から退いた。


・・・なんで涼聖くん前髪長くしているんだろ?


そんなことをボーっと考えていると、涼聖くんが「美麗さん大丈夫?どっか痛い?」と心配してくれた。


「大丈夫痛くないよ。涼聖くんは?」


「僕も大丈夫だよ。」


「涼聖くんってなんで前髪長くしてるの?」


前髪切ったらモテるのに。


「美容院行くの苦手で・・・」


「店員さんと話すの苦手だから?」

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