君に届くまで。




__そう。うすピンク色をした手袋は

俺が彼女に渡そうとしていいたモノ。



「......でも...なんで.....俺いつ渡した?」


その手袋は今日、俺が彼女に渡そうとしていた。

なのに、もう彼女はそれを持っている。


「........あなたのお母さんから受け取ったの。」


そう彼女は言って俺は余計に頭が混乱する。


「.......意味が....わかん...ないんだけど..」


「................」


「.....いつ?」


「.........一年前だよ。」


彼女は静かにそう言った。


「.....一年前?......は?....本当に意味わかんねぇ」


俺は髪をグシャグシャと掻いた。


そんな俺に彼女は言った。震える声で。


「.....もう、いいよ。」



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