君に届くまで。




__あぁ。


俺は確かにあの日。雪の降っていた日。


待ち合わせ場所に向かってる途中に、事故にあった。



俺はそこで....死んだんだ。



彼女に会うこともできず、


手が冷えやすい彼女へとプレゼントする
はずだった、愛しい彼女に似合いそうな
うすピンク色の手袋を渡すこともできずに。




__なんで忘れてたんだろう。

__なんで気付かなかったんだろう。


彼女がしている俺が渡すはずだった手袋はよく見ると、血痕のような赤黒いものが少し、付いていた。

それは紛れもなく、俺の血だろう。



__でも、どうして俺は

今も、彼女の前にいるのだろうか。




< 8 / 13 >

この作品をシェア

pagetop