君に届くまで。
__あぁ。
俺は確かにあの日。雪の降っていた日。
待ち合わせ場所に向かってる途中に、事故にあった。
俺はそこで....死んだんだ。
彼女に会うこともできず、
手が冷えやすい彼女へとプレゼントする
はずだった、愛しい彼女に似合いそうな
うすピンク色の手袋を渡すこともできずに。
__なんで忘れてたんだろう。
__なんで気付かなかったんだろう。
彼女がしている俺が渡すはずだった手袋はよく見ると、血痕のような赤黒いものが少し、付いていた。
それは紛れもなく、俺の血だろう。
__でも、どうして俺は
今も、彼女の前にいるのだろうか。