見えない異変
ハア、ハア、ハア。

息が上がる。

美帆がいないなんて、そんなわけない。

嫌な汗が流れる。

気持ち悪い。

まさか美帆は幻覚だったのか。

だけど…。

思い当たる節があるような気がしてきた。

足に力が入らない。

立っていられない。

それに警官の声もなんだか遠くで聞こえているようだ。

見えている世界にノイズが入る。

まるでテレビの砂嵐のように世界が見えなくなっていく。

ああ、私、死ぬのかな。
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