見えない異変
ここは…。

あの世でもなければ、病院でもなかった。

自分のマンションのベッドだった。

どういうこと?

私はあの時、倒れた。

そして、近くには警官がいたはず。

だったら普通、病院じゃないのか。

それなのに、なぜ?

その時はじめて、さっきからしていた僅かな物音に気付いた。

誰かいるのだろうか。

思わず構えた。

足音が近づいてくる。

緊張が全身に走る。

すごい早さで脈打ってるのが分かる。

戸が開いた。

そこにいたのは美帆でも警官でもなかった。

母だった。
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